■サンシンズジュニアの紹介

サンシンズジュニアは宮城県の南三陸町にある小学生から高校生までの子ども達による音楽チームです。

2011年3月11日に起きた東日本大震災の辛い状況下の時に、当時、沖縄から派遣されて来た自衛隊によって三線という楽器を伝えられました。初めて耳にする三線の優しい音色に避難所の人々は魅了され、子ども達も自衛隊と楽器の虜になりました。

自衛隊の皆さんの勤務時間外に毎夜繰り広げられる三線練習。三線だけではなく、キーボードやギターパーカッションなど楽器もメンバーも増えていき、一か月後には自衛隊の皆さんとコラボした慰問演奏会を開催するようになっていきました。

自衛隊の部隊は三週間程度で次の部隊と交代になります。一次隊から始まり五次隊まで子ども達と自衛隊の皆さんとの関わりは続きました。

子ども達の情熱に避難所の住人もそこに訪れる人々も自衛隊も、全ての大人たちが心を動かされて行きました。

 

自衛隊が南三陸町から撤退した後も子ども達の毎夜繰り広げられる練習は続きました。夏の終わりに避難所が閉鎖になるまで・・・

避難所が閉鎖になると住民はバラバラの仮設住宅で生活することになります。

仮設住宅はご想像の通り自由に楽器を演奏できるような環境ではありません。

一時的に子ども達は大好きな練習もままならない状態になりました。

 

翌年の始めに「さんさカフェ」というコミュニティーカフェが出来ました。バラバラになった人々の集まる場所として作られたのでした。

また、子ども達の練習が出来るようになったのです。子ども達はどうしても「サンシンズジュニア」としての音楽活動を続けたかったのです。

何故って続けていれば子ども達のヒーローだった自衛隊さんと会える!と信じていたから・・・それだけではなく、家族兄弟のようになった仲間と一緒に過ごしたかったから。応援団もたくさんいました。たくさんの勇気もいただきました。自分たちの演奏によって喜んでくれる人がいるということに気づいていたのです。自分たちも何か力になれるかもしれない・・・という自覚も芽生えてきたのです。

練習場所はカフェや近くのボランティアさんの運営するプレハブだったり、あるいは仮設住宅の集会所だったり・・・週に二回程度の練習が現在も続いています。

 

震災から三年が経過しました。サンシンズジュニアの子ども達もずいぶんと成長しました。高校を卒業して就職や進学によって町を離れる子も出てきました。離れても相変わらずサンシンズを愛し三線を奏でている子。楽器は出来ないけれど時々様子を伺いに来てくれる先輩。避難所で過ごした短いけれど濃厚な経験は一生忘れることのない記憶になっています。辛いことも嬉しいこともたくさん経験してきました。

 

外部の音楽関係のボランティアさんとコラボしたコンサートもたくさん経験させていただきました。音符は読めないけれど一緒に演奏したり歌ったりすることの素敵さを学びました。子ども達の演奏と歌声は例外なしに大人達の心に響きます。

そんな活動をぜひ続けて欲しい!と遠い地の自衛隊さんやたくさんの応援団に熱望されています。私たちも続けたい!大人になっても!

このサンシズジュニアの活動と東北には縁遠かった三線という沖縄の楽器。新たな文化として根付かせるのが私たちの夢です。

 

被災地、南三陸町の復興のシンボルの一つとしてサンシンズジュニアの活動が認められたら・・・そんな希望も持ちながらこれからも活動は続きます。

今後とも時々でいいのでサンシンズジュニアを思い出していただいて声援を送っていただけたらとてもうれしく感じます。

 

どうぞ、復興には程遠い被災地の状況や私たちのことをもう少しの間忘れないでください。宜しくお願いいたします。

 

 

サンシンズジュニア一同